滑り台を駆けのぼる - 少女歌劇レヴュースタァライト第4話

滑り台の下にいるひかりちゃんが駆け出して、滑り台の上で手を伸ばしている華恋の手をつかむ一連の流れ。

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会話が続く静かなシーンの中にカメラワークで動きを作り短いカットの連続が入ることで躍動感が生まれ、ひかりちゃんの気持ちの高ぶりを表現されている。かつ、滑り台を駆けのぼる難しい芝居をうまく省略する。

こういう人物の感情表現と作画カロリーを設計する技術が組み合わさったものを見ると痺れます。

この後にある滑り台の上に2人が並び立ち東京タワーを見上げている全景も、アニメだからできる嘘構図を使いとても綺麗で印象的でした。
(キャラクターが東京タワー光源の色味じゃないところも個人的に好み)

2018/05/17

おととい高畑勲監督のお別れ会に行ってきた。
献花後、順路には仕事中の高畑さんを撮った写真が飾られていた。

ふと仕事中の自分を撮った写真がないと気がつく。
作画参考で撮った変なポーズや手のアップとかはあるものの、仕事中と言えるもの全然無い。ロケハンや打ち上げでさえも記念写真は滅多には…。

ほぼ机に向かう仕事なので面白みが無いことは承知でも、1枚もないのは寂しいし、後から見返して面白みのあるものなので、これからは仕事中の方を積極的に撮りたい所存です。

演出の差異 - 『シグナル 長期未解決事件捜査班』

『シグナル 長期未解決事件捜査班』という現在放送中のドラマが面白いと耳にしたので見た。未解決事件を追う捜査モノで壊れた無線機が過去人に通じ、それが事件の手がかりとなり捜査が進んでいく…という感じのあらすじ。
元は韓国のドラマでNetflixでオリジナル版が配信されている。オリジナル版の雰囲気が知りたいと見たのだが、これが大変興味深い。脚本がほぼ変わらないのでオリジナル版もリメイク版も話数でやっていることが同じ。となると演出の差異が浮き彫りになる。

4話。取調室で刑事と犯人が向き合い事件の真相に迫るシーン。
リメイク版では犯人に感情移入ができるように作ってある。展開は同じでも音楽の使い方が犯人の側についていることがある。インサート的に入る過去回想でも犯人の心情に連動した音楽の変化をつけている。
極め付けはシーンのラスト。オリジナル版は犯人が泣き出したところで取調室の外に場面転換し、主人公のやりきれない表情とモノローグでシーンを絞める。その後の犯人は描かれない。一方のリメイク版は犯人が泣き出し、椅子から転げ後悔の念に襲われる。その一部始終をたっぷりと描く。とてもウェッティな仕上がりだと思う。
これが日本向けのローカライズとしておこなわれたかは分からない。けれど日本人は罪人が罰せられるような話は好きなんだろうと思う。遠山の金さんやら水戸黄門やら。

病院での照明の使い方、アクションシーンのカットの割り方、被害者の写真の使い方等、大小さまざまな演出差異がてんこ盛りなので教材的に使えそう。
とても面白いので最終話までオリジナル版リメイク版を一緒に見ていこうかなと思う。