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藝大 アニメーション国際シンポジウム 第2部 雑記

zuihitsu

先週、上記の第2部を聞いてきたので簡単な簡単なメモ。
メモをそのまま文字にしてるので発言の整合性などはお察しくださいませ。

 

題材は「日本アニメのローカライズ戦略について」

日本アニメのグローバル化に進む現状ローカライズ化について考察したい。
グローバル化によって制作の姿勢は変わる必要があるのか?
また、変わる必要がある場合どうしたら良いのか?

各登壇者の活動とテーマについてのプレゼンテーション、その後ディスカッションという流れ

海部さん
ドラえもんの米放送をプロデュース
日本のアニメーションの海外市場について
86%、754.8億は一般向けアニメ(コレクターズ・プロパティ)
7%は子供向け(キャラクターフランチャイズ
ローカライズの必要性については「物による」
コレクターズ・プロパティは日本の観客と同じ受け取り方が望まれている。なので、ローカライズ化もなるべく日本に合わせたものに。
キャラクターフランチャイズはファミリー向けなので分かりやすさ伝わりやすさを優先、積極的にカルチャライズ、ローカライズするべきという立場。

ドラえもんの米放送の例
ディズニーのチャンネルに流すか実際に子供に見せてのテストがある。そこに如何に高い点数を取るかということに注力した。
具体的な方法として、トーン、ペーシング、ユーモア、メインキャラクターについてローカライズをした。
トーン:がんがん笑えるように。
ペーシング:ドラえもんの面白さとはどこにあるか。道具を出して使うところにあると考え、道具が出るまでの時間を短くした。1分以内に道具が出るようにプリプロで編集をした。
ユーモア:トーンに繋がるが台詞を増やしてマシンガントークにして笑いを増やす。
メインキャラクター:メインのアイコンとなるのはドラえもんのび太で無くドラえもんが話の中心となるようにドラえもんの目的を明確にして中心に添えた。
警察のアイコンを例に、日本でのアイコン、ピーポくんは警察が一般市民にこう見られたいという象徴である。(米で日本警察のアイコンがピーポくんであると説明すると笑いが起きる鉄板ネタらしい)米の警察は権力の象徴である鷲をモチーフにしており組織の象徴である。

南さん
スペースダンディを例に。
スペダンの企画はビバップの成功を元に進められた。
日米同日放送のスケジュールを確保するために3ヶ月前納品が厳守だった。
通常、海外展開はオールライセンスだが、今回はTV放送のみ。
一次販売の多角化、二次販売のスムーズ化ができた。
英語版があると、アジア展開がスムーズにいった

日米同時展開の課題として
ローカライズ費についてJ-LOPの支援があった
今後J-LOPが継続されるかという問題がある。
納期の早さについて制作体制の課題

竹内さん
ローカライズは必要ないが、作り手はグローバル化を考えなければいけないと思う。
各国で色が与える感情が少しだけ違う。台詞の受け取られ方も違うことがある。
日本はみんな同じだろうから始まるが、欧米ではみんな違うところから始まる。
クリエイターがグローバルな場で対等であるための心構えを語っていた。

西村さん
J-LOP:映像のローカライズ化支援を行っていた。
コンテンツへの興味から日本の衣食住への興味、観光などへ繋げたい。
こういったプロジェクトは1年で結果が出るものではなく10年続けてこそ。
ただ、省庁は1年ごとの更新。そこが課題。
J-LOPはTV番組やゲームなど3年で3000件のローカライズ支援

ディスカッション
ドラえもんローカライズドラえもんそのものの面白さは保証されるのか
・日本アニメの地産地消でニッチ化しがち
・センサーシップをどの段階でやるか
スペダンの場合はシナリオを翻訳して確認してもらっていた
・スペダンのローカライズ
元々欧米向け内容、一話完結だったのでローカライズ化は悩まなかった。
むしろ日本のお客さんにも振り向いてもらえるような仕掛けに悩んだ。
・プロデューサーの育成について
経験値ありきの現状と制作委員会の功罪
権利交渉のやり方を教える場がない
欧米でプロデューサーコースへ進学する人も日本で通用する場がない
ピッチ(売り込み)は必要な要素になるのではないか。
・学校教育に求めるもの
オプション、いろんな可能性の提示
主語述語の話す力。スムーズな翻訳には必要
アニメを映像の一ジャンルとしてその武器を理解する力

 

以上、残り雑感。
ドラえもんローカライズ化、また海外のアニメ市場などの数字とともに海外のアニメファンの心情なんかも新鮮だったなあ。海外展開をスムーズにできるような仕組み、販売体制の構築と戦略がまだまだこれからなんだなあという印象でした。やっぱりどこもTV放送が強いのか、これからは配信が影響力を増していくのか、それぞれの国事情というものがあると思うのでそこに強いパートナーを見つける必要があるのでしょう。
制作側の立場としては、日本のアニメが映像メディアの中で何が強みなのか理解していないと、単純なカルチャライズ、ローカライズでは受け手側にも簡単に見透かされるんだろうと思った。ベイマックスを作りたいなら、ベイマックスと同じくらい販売や流通の戦略を持たなきゃいけなくて、ベイマックスで日本のアニメは終わるとかいう単純化は悪影響でしかないかな。ただ、面白さとか嗜好がニッチで偏りを生まないようグローバルな価値基準というのは持たなきゃいけないというのはごもっとも。